Blender編集モード(Sculpt Mode)

Blenderのスカルプト機能の解説、モデリング
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Blenderのスカルプト機能

スカルプトモードはオブジェクトのメッシュをクリックして盛り上げたり削ったりしてモデリングを行う事ができるモードです。
頂点を選択して変形させるより、粘土をこねて形作る事に近い直感的な操作が可能になります。

 

Multiresで細分化しスカルプト

 

使用バージョン
Blender2.49a、2.80

 

 

スカルプトモードの基本

3D ViewportShift+F5Sculpt Modeを選択します。

 

2.8系以降なら画面レイアウトのプリセットからSculptingを選択すると作業が容易になります。
Blenderカスタマイズ(操作画面の位置)

 

描画方法

使いたいブラシを選び、オブジェクトの上をこするようにドラッグします。

 

ショートカットキーの一部

F
ブラシの大きさ
Shift+F
ブラシの強さ
Alt+F
ブラシの角度

スカルプトモードのツール

ブラシの種類によって表示項目は異なります。

 

2.8系

ブラシの種類はツールバーT、その他はサイドバーNToolタブ

 

Toolタブの内容はPropetiesShift+F7Active Tool and Workspace Settings(一番上のタブ)にも表示されます。

 

一部名称が変化していますが、パネルの内容は2.6系と大体同じです。
Curveパネル→Falloffパネル
Appearanceパネル→Displayパネル(項目内にブラシ表示色など格納)
Project Paintパネル→Optionsパネル

2.6系
Tool ShelfT

 

2.8系

Brushパネル

ブラシなど、描画の基本的な設定です。
ペンタブレットを使用している場合は、ブラシの強度や大きさ設定の右にあるアイコンで筆圧感知を有効にして描画できます。

 

Textureパネル

画像の明度の高い部分がペイント可能な部分になります。

 

Mapping
3D
立体構造としてマッピング
Tiled
並べるようにマッピング
View Plane
視点から平面マッピング
Area Plane
ローカルサーフェイスの法線に沿って平面マッピング
(2.67以降)Random
ランダムにテクスチャ座標を選びサンプリング
(2.67以降)Stencil
オーバーレイを表示した状態で上からメッシュ上に転写

 

以下のキーでステンシル画像のトランスフォームを行います。
Altキーを加えるとアルファステンシルの操作になります。

右ドラッグ
移動
Ctrl+右ドラッグ
回転
Shift+右ドラッグ
拡大縮小。XまたはYで軸制限、または制限解除
Image Aspect(画像使用時)
ステンシルサイズを画像のアスペクト比に合わせる
Reset Transform
ステンシルのトランスフォームをリセット
Angle(Ctrl+F
テクスチャの角度
Offset
各軸方向のテクスチャの位置を調整
Size
各軸方向のテクスチャのサイズを調整

 

Strokeパネル

ブラシの塗りに関する設定です。
選択ブラシによって項目は異なります。

 

2.67以降はTexture ModeのStroke Merhod内のいくつかの描画方法と共通になりAirbrushも格納されています。

 

Stroke Merhod
描画方法
(2.6以降)Dots
移動ステップに塗りを適用
(2.6以降)Drag Dot
各ドットを細かく配置
Space
指定した間隔で描画
Spacing
ペイント間隔
Airbrush
クリックしている間ペイントし続ける
Rate
ペイント間隔
(2.6以降)Anchored
ブラシを初期位置に留める
Edge To Edge
アンカーブラシを隅々までドラッグ
(2.7系以降)Line
間隔を空けて描画
(2.7系以降)Curve
ベジエカーブでストロークを決める
Jitter
ブラシ位置をランダムにずらす
Input Samples
入力の平均を取りストロークをスムーズに
Smooth Stroke
ブラシをマウスより遅らせて筆跡をスムーズにする
Radius
ストローク前の最後の地点からの最小距離
Factor
ストロークをスムーズにする度合い

 

Falloffパネル

ブラシの減衰の形状を編集します。

 

Displayパネル

ブラシやテクスチャの表示をカスタマイズします。

 

Curve Alpha
マスクテクスチャのオーバーレイ時の不透明度
Texture Alpha
テクスチャのオーバーレイ時の不透明度
Show Brush
ブラシサイズを示す円を表示
ブラシカーソルの色
Custom Icon
Brushパネルに表示されるブラシのアイコン画像を変更

 

Dyntopoパネル(Ctrl+D

有効時、ダイナミックトポロジーでメッシュの構造が変更されます。
より形状を編集しやすくなりますが、面の数が変化するので注意です。

 

Detail Size
辺の最大長
Refine Method
メッシュのディテールを追加、削除するメソッド
Detailing
メッシュの計算メソッド
Smooth Shading
スムーズシェーディングで面を表示
Remesh
Direction
対称化オペレーター用の元と先
Symmetrize
編集を対称化
Optimize
スカルプトBVHを再計算しパフォーマンスを向上

 

Symmetryパネル

左右対称の編集などを設定します。

 

Mirror
選択軸に沿って描画をミラーリング
Lock
選択軸の頂点の変更を禁止
Tiling
選択軸をタイリング
Feather
対称に塗っている部分と重なる部分のブラシの強さを弱める
Radial
表面に沿ってストロークをコピーする回数
The Offset
タイルのストロークをコピー

 

Optionsパネル

編集時のオプションです。

 

Threaded Sculpt
マルチCPUコアを使用しパフォーマンスを向上
Fast Navigate
マルチレゾリューション使用時、視点変更中は低解像度で表示
Use Deform Only
一時的にマルチレゾリューション以外のモディファイアを非表示にする
Show Diffuse Color
オブジェクトのディフューズ色を表示し、スカルプトマスクをその上にオーバーレイ
Show Mask(Ctrl+M
マスクをオブジェクト上にオーバーレイ
Unified Brush
ブラシ間共通のサイズ、色、強さを使用
Gravity
重力の量を設定

 

Workspaceパネル

ワークスペースがアクティブになった時、選択したモードに切り替えます。

 

2.4系

Buttons Windowヘッダー→EditingF9内にあります。

 

Sculptパネル

選択しているブラシにより設定項目は異なり、大きさや強度は個別に設定しておく事ができます。

 

どちらも表示内容は同じです。

  • 3D ViewPropatiesパネルN
  • Buttons WindowEditingF9Sculptパネル

Blender2.4のSculpt Propertiesパネル

 

OB
現在編集中のオブジェクト名
Par
親オブジェクト名
Draw(D
ラインを入れる。ドラッグしたラインに沿ってメッシュが変形
Smooth(S
滑らかにする
Pinch(P
つまむ
Inflate(I
膨らませる
Grab(G
ひっぱる
Layer(L
層を持たせる
Flatten(T
平面化
Add(V
加算
Sub(V
減算
Airbrush(A
エアブラシ。マウスドラッグしながらカーソルを動かさなくても自動で効果を掛ける
Size(F
ブラシのサイズ
Strength
効果の強さ
Symmetry(XYZ
各軸を中心として対称に編集
LockAxis
各軸をロック

 

Brushパネル

曲線はブラシの断面図です。左側がブラシの中心、右がブラシの端で、縦軸はブラシの強さです。
デフォルト状態ではブラシ中央が強く盛り上がった形になります。
各アンカーをドラッグで動かして、好みの形状に編集します。
Blender2.4のBrushパネル

 

Textureパネル

ブラシとしてテクスチャ画像を使用すると、複雑な模様を描けるようになります。

 

細かな模様を描くにはメッシュを細分化しておく必要があります。
単純にSubdivideなどで分割しても良いですが、低細分化レベルと高細分化レベルをいつでも切り替える事ができるMultires機能を使うと便利です。

 

Buttons Windowヘッダー→EditingF9Textureパネル→Defaultの下の空欄を選択し、Add Newボタンで新規テクスチャチャンネルを作成します。
Blender2.4のTextureパネル

 

Buttons Windowヘッダー→ShadingF5Texture buttonsF6Previewパネル→Brushを選択するとテクスチャを作成可能になります。

 

テクスチャ画像を設定後、スカルプト側のTextureパネルに戻り、Tileを選択します。
これでドラッグ中は画像が敷き詰められた状態で彫刻されていきます。

 

使用したオブジェクトはCubeにMultiresのLevel:3を指定してApply Multiresで細分化を実体化させた後、再びMultiresでLevel:6を指定したものです。
レンガのテクスチャMultiresで細分化しスカルプト

簡単なキャラクターを作る

UVsphereを初期設定(Segments、Rings:32)のまま配置します。
UVsphere

 

スカルプトモードにして、SymmetryXボタンを押して左右対称編集できるようにしておきます。

 

Grabブラシで耳を作ります。
耳を付けたいところを(X軸を中心としてちょうど良い位置に)ドラッグして上へ引っ張るようにするとメッシュが伸びて耳のようになります。
スカルプトで耳を作る

 

大きめのGrabブラシで後部を引き伸ばして短めの胴体にします。
スカルプトで胴体部分を編集

 

Smoothブラシでオブジェクトをこするようにして形を滑らかにしていきます。
スカルプトで形状を滑らかに

 

中サイズのGrabブラシで短い手足を作ります。
手足を出したいところをクリックし、下へドラッグします。
スカルプトで手足を作る

 

DrawGrabブラシで鼻の部分を少し前に出します。
スカルプトで鼻先を伸ばす

 

細部を変形できるようにSubsurfモディファイアで再分割します。
その後、小さめのDrawブラシでSubボタンを有効にして口の部分をなぞってへこませます。
スカルプトで口を作る

 

目の部分もなぞってくぼんだ状態にします。
スカルプトで目の部分を作る

 

新しくUVsphereを生成し、ちょうど良い大きさにして目玉を作り、オブジェクトの表面を滑らかに見せる為スムージングを有効にします。

 

目玉と体に好きなマテリアルを設定して完成です。
スカルプトでモデリング

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