Blenderでレンダリング(Cycles)

Blenderのレンダラー「Cycles」を使ってレンダリング
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Cyclesでレンダリング

Cyclesは新しい物理ベースのレンダラーで、非公式ビルドで利用可能でしたが、2.61から公式版にも搭載されました。
フォトリアルな効果を手軽に得られるようになります。

 

テクスチャ設定したMonkey

 

使用バージョン
Blender2.61、2.80

 

 

レンダリングエンジンを選択

2.8系
PropetiesShift+F7Render→Render EngineCyclesを選択
2.6系
Infoヘッダー→Blender Render(プルダウンメニューのデフォルト)→Cycles Renderを選択

 

マテリアル設定

Propertiesヘッダー→Materialで設定を行います。

 

Surfaceパネル

Surfaceパネル→Use Nodesボタンを有効にするとパネル内、ノードエディターでマテリアルの設定を行えるようになります。
Blender2.6のSurfaceパネル

 

Surfaceパネルとノードエディターの編集内容は共通で、どちらかを編集するともう片方にも反映されます。
細かな設定はノードエディターを使用した方が便利です。
Blender2.6のノード編集

 

ノードの接続順は基本的に「Texture CoodinateなどInput系」→「Texture、Colorなどの加工」→「Diffuse Shaderなどのシェーダー」→「Mix、Addの混合シェーダー」→「Output系」になります。
Shaderノードの後にColorなどのノードを接続しても効果が無いようです。

 

質感の設定

surface:

Background
ワールド背景用(ワールドには他のsurfaceを指定しても無効)
Diffuse BSDF
基本的なシェーダー

Diffuse BSDF

Glossy BSDF
反射光沢のあるシェーダー。Roughness(荒さ)を設定可能

Glossy BSDF

Glass BSDF
ガラスシェーダー。Roughness、IOR(屈折率)を設定可能

Glass BSDF

Translucent BSDF
光を通す半透明な材質に向いている

Translucent BSDF

Transparent BSDF
透過用シェーダー。トリム画像を使用したアルファ透過などに使用

Transparent BSDF

Velvet BSDF
ベルベット光沢シェーダー。Diffuse BSDFと併用して使用

Velvet BSDF

Emission
発光体。Strengthで発光の強さを設定

Emission

Holdout
surface無しの状態になる。後でレンダリング画像に合成する時に使用
Mix Shader
選択後、2つのShaderを設定しFactorで混合率を設定。0で1番目のShader、1で2番目のShaderが強く出る。入れ子可能

Glossy BSDF(色は薄赤)とGlass BSDF(ColorにVoronoi TextureのCellsを設定)をFactor:0.7で混合
Mix Shader

Add Shader
2つのShaderを加算合成する。混合率の設定は不可

Add Shader

Remove
設定を削除
Disconnect
設定はそのままでノードの接続を切断

 

レンダリング設定

Propartiesヘッダー→Renderで設定を行います。

 

Renderパネル

レンダリングに使用するデバイスを選択します。

 

Feature Set
Supported
使用しているマシンでサポートしているものを使用
Experimental
使用するデバイスを選択
(Experimental選択時)Device
OpenCL GPU
グラフィックボードでレンダリング
CPU
CPUでレンダリング

 

OpenCL GPUはグラフィックボードによっては使用できません。
使用できる場合は、若干のスピードアップを見込めるようです(未確認)。

 

サンプル数の設定

3Dビューでのプレビュー時は低く、本番は高い数値を設定するようにします。

 

2.8系
Samplingパネルのヘッダー右にあるメニューアイコンからFinalPreviewを選択可能

 

バウンス数はプリセットから選択する事もできます。主にLight Pathsの値が変化します。

 

2.8系
Light Pathsパネルのヘッダー右にあるメニューアイコン展開
2.6系
Integratorパネル

 

DirectLight
通常のAOに近い(アルファ透過部分の影が出てしまう)。若干速い
Full Global Illumination
最高品質、低速
Limited global Illumination
Full Global Illuminationとほとんど変わらない品質で速さもある

 

Renderの値は全て10で、CPUレンダリングです。

DirectLight Full Global Illumination Limited global Illumination

1分38秒
DirectLight

2分17秒
Full Global Illumination

1分55秒
Limited global Illumination

 

以下は2.6系の表示

Samples
Render
レンダリング時のサンプル数。本番では数百~数千くらいにする
Preview
リアルタイムプレビュー時のサンプル数。0ならレンダリングを無限に続ける
Seed
ノイズパターンを変える為の乱数値

 

Transparency
Max、Min
透過部分のバウンス数

 

Bounces
Max、Min
バウンス数

 

Light Paths
Diffuse
表面反射のバウンス数
Glossy
グロッシー反射のバウンス数
Transmisson
伝送バウンス数

 

Shadows
半透明の影を描画する
No Caustics
コースティクスをサポートしない

 

作例
Diffuse BSDFを主に使用して、髪や眉、睫毛などはMix Shaderで透過しています(透過方法は以下で解説)。
Glossy BSDFをMixで加えてつやを出しました。
比較用にSSS有効で通常のレンダリングをしたものです(色は少し変えている)。

 

サムネイルクリックで大きい画像を表示します。
レンダリング比較

 

リアルタイムプレビュー

3D viewヘッダー→Viewport ShadingRenderedを選択します。
編集を加えたり視点を変える度に自動でレンダリングを行います(F12キーによるレンダリングとは異なる)。
Blender2.6のViewport Shading

 

アルファ透過の方法

Transparent BSDFと他のShaderをMix Shaderで混合して設定します。

 

トリム用グレースケール画像を使用する場合

通常のマテリアル設定とは逆で、白い部分が透過されます。

 

SurfaceはMix Shaderを選択します。
ここでは1番目のShaderにTransparent BSDFを選択し、ColorにImage Textureを指定してトリム用画像を設定します。
(2番目には好きなShaderを設定し、色や画像を設定する)
Blender2.6のSurfaceパネル

 

ノードエディターで編集します。
黒い部分を透過に使用する為に作成したトリム用画像の場合は効果が逆になってしまいます。
色を反転させる為Invertノード(SurfaceパネルのColorからも設定可能)をImage TextureノードとTransparent BSDFノードの間に接続します。

 

Mix Shaderノード→FactorImage Textureノードを接続します。
これで2番目のShaderが1番目のShaderによって透過されます。
Blender2.6のノード編集

 

アルファ付きPNG画像の場合

(2.81)

ノード

Image Textureノードを追加し、アルファ付き画像を読み込みます。
Image TextureノードのColorAlphaの出力ソケットをPrincipled BSDFノードのBase ColorAlphaの入力ソケットにそれぞれ接続します。

 

プロパティパネル

3Dビュー上のマテリアルプレビュー時もアルファ部分の透過を有効にするには、レンダリングエンジンをEeveeにして以下の設定を行います。
PropetiesShift+F7Material PropertiesSettingsBlend ModeAlpha Blendなど

 

バンプマップの設定

「Bump」や「Normal」といった擬似的な凹凸を画像によって設定するにはDisplacementを使用します。

 

一例としてUV展開したCubeを使用します。
SufaceにはデフォルトのDiffse BSDFを指定しています。
cube

 

バンプマップとして以下の白黒画像を使用します。
バンプマップ用の渦巻き

 

Displacementパネル

パネルで設定するより、ノードエディターで設定した方が見通しが良くなります。
Blender2.6のDisplacementパネル

 

Node Editorヘッダー→AddTextureImage Textureノードから画像を開きます。

 

テクスチャ画像の貼り付け方を指定する場合はNode Editorヘッダー→AddOutputTexture CoodinateノードのUVImage TextureノードのVectorを接続します。

 

Image TextureノードをMaterial OutputノードのDisplacementに接続すればバンプマップの効果を得られます。

 

凹凸を調整する為にNode Editorヘッダー→AddConvertorMathノードをImage TextureノードとMaterial Outputノードの間に挟むと、モードやValueの値を変える事でさらに編集を加えられるようになります。
Blender2.6のノード編集でバンプマップ設定

 

Image Textureノードの色空間をsRGBからLinearに変えても違った感じになります。

 

Multiply

他のモードも大体同じような感じになります。Valueの値をマイナスにするとバンプマップの白い部分がへこむようになります。
Multiply以外はValueの値を変えてもあまり変化は見られません。

 

Value:1.00、Value:10.0
Multiply Value:1.00 Multiply Value:10.0

 

変わったパターンになるものもあります。
Valueの値は全て1.0です。

 

Cosine、Arccosine、Round
Cosine Arccosine Round

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