Blenderでレンダリング(被写界深度)

Blenderのレンダリングで被写界深度(Depth of field)を表現する
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被写界深度

被写体より近い場所や遠い場所をぼかす表現を実現します。

 

被写界深度で中央以外をぼかす

 

使用バージョン
Blender2.49b~2.62、2.80

 

 

被写界深度(DOF)とは


被写体にピントが合っている範囲の事です。
通常のレンダリングでは全てにピントがあった状態(パンフォーカス)となる為、遠くをぼかしたりするには工夫が必要です。

使用シーン


人物や小物などの接写時に使用すると効果的です。


風景の場合はぼかしより空気遠近を意識して遠景を大気の色で霞ませる方がリアルです。


焦点の設定


カメラの設定を利用する方法と、コンポジットノードでZ深度を利用する方法があります。

 

カメラの設定を使用する

焦点を中心に遠景をぼかすにはカメラを選択してPropertiesヘッダー→Object Dataで設定を行います。

 

Displayパネル→Limitsを有効にして、焦点の設定ができるようにします。
Blender2.6のDisplayパネル

 

Depth of Fieldパネル→Distance(2.4系ではDof Dist)で手動で焦点となる位置を設定するか、指定したオブジェクトの位置を焦点にします。
Blender2.6のDepth of Fieldパネル

 

Distanceの値を調整して、3D View上の黄色い十字(焦点)の位置を設定します。
焦点を設定

 

レンダリング後、ノードエディターのコンポジットノードでぼかしをレンダリング画像に適用します。

 

2.8系

カメラのDepth of Fieldパネル設定のみでレンダリング画像に反映可能です(ノード使用でも可能)。

2.6系
基本的に2.4系と同じ方法で実装できます。

Defocusノード→Use Z-Bufferを有効にします。

2.4系
  • DefocusノードをRender LayerノードとCompositeノードの間に連結
  • Render LayerノードのImageZDefocusノードの同名ソケットに繋ぐ

 

Blender2.4のDefocusノード

 

No Zbufferは無効にします。
Previewも無効にしますが、重い場合は有効にしてSamplesの値を調整します。

 

fStopでぼかしの大きさ、BThresholdでオブジェクトの境目のぼかししきい値を調整します。

 

ぼかし無し、手前から2番目のモンキーに焦点を合わせたもの
被写界深度無し被写界深度で中央以外をぼかす

 

コンポジットノードを使用する

カメラの焦点調整は行わず、ノード側で全てを調整します。

 

各ノードを接続します。

  • Render LayerノードのImageBlurノードのImage
  • Render LayerノードのZMap ValueノードのValueColorRampノードのFacBlurノードのSize

 

最後にBlurノードからCompositeノードに繋ぎます。

 

コンポジットで被写界深度の設定

 

ColorRampノードのImageViewerノードに繋いでおくとぼかし範囲をプレビューしながら調整できます。

 

ColorRampノードのカラーバンドはデフォルトで黒、白ですが、手前と遠くを同時にぼかしたい場合はもう1つポジションを追加して白-黒-白となるように並べます。

 

Map ValueノードのOffsSizeの数値調整が重要で、どの数値が適切かはシーンによって異なります。
Viewerノードを見ながら数値を大きく変えてみて、プレビューが真っ黒、真っ白になる境目となる数値を探す事から始め、境目が見つかったら少しずつ数値を調整していきます。

 

黒いほど焦点の合っている部分、白いほどぼかしが掛かる部分になります。
ボケ範囲を調整

 

ぼかし範囲がうまく調整できたら、Blurノードでぼかしの大きさを調整して完成です。

 

Blurノードの代わりにMixノードなどを繋いで他の色をブレンドすれば遠景を霞ませる事もできます。

 

ぼかし無し、手前から2番目のモンキーに焦点を合わせたもの
被写界深度無しコンポジットノードでぼかし

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